大学教育は文理融合の時代へ 高い目線で目標を持てる女性を育てる

創立から100年、『女性が人生を拓く力をつける大学』として進化し続けてきた昭和女子大学。予測不能な時代における高等教育の在り方、AI人材、理系人材の必要性、女性のキャリア教育、新型コロナへの考え方など、2020年度から新学長に就任した小原奈津子氏に聞く。

変わりゆく大学教育

──創立100周年の節目に新学長に就任されました。コロナ危機の最中、VUCA時代の教育ビジョンについてお聞かせください。

小原奈津子

小原奈津子

昭和女子大学学長
和歌山市出身。1977年茨城大学理学部化学科卒。79年お茶の水女子大学大学院理学修士、82年東京工業大学大学院工学博士。85年昭和女子大学家政学部生活美学科専任講師、89年同助教授、98年生活環境学科教授、2002年生活機構研究科生活科学研究専攻教授、03年生活機構研究科生活機構学専攻教授、人間社会学部現代教養学科長、05年教務部長、07年副学長を歴任。14年理事、17年常務理事、20年から現職。

学生には、主体的な学習と能動的に考える力、失敗を乗り越える力を身につけてもらいたいと思っています。VUCA時代と言われる中で、多様な価値観を認め、自分のアイデンティティを大事にするような人材の育成を目標にしています。

昭和女子大学は、創立時から文系の大学で、長い間家政学と人文学が主体でした。その後、社会ニーズに合わせ社会科学系にも分野を広げてきました。もともと文系の大学だったこともあり、学生の中には、高校3年生で数学をやってこなかった学生など、数学・理科をどこかで置いてきた学生もいます。

今後は「Society 5.0」の実現に向け、文理融合の中で、文系の大学に行くからといって理数を…

(※全文:4458文字 画像:あり)

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