教員インタビュー 〜誰もがもつ経験知や実践知を形式知に
教員インタビュー
実務教育研究科で教鞭を執る教員を紹介します。
今回は知識社会学などを専門とする川山竜二先生にお話をうかがいました。
川山 竜二
Q1.専門領域・担当科目について教えてください。
私の専門は、知識社会学と社会システム理論です。知識社会学は、社会のなかで知識がどのようにつくられたり使われたりするのかということを研究する領域です。そのときに社会システム論というアプローチを用いています。担当科目は、知の理論、知識・教育・社会、知識社会学、実践と理論の融合、専門職教育論、人的資本論のほか、研究指導も行っています。
Q2.なぜその領域を専門にしようと思われたのですか。
高校生のときに進路選択をする際に『蛍雪時代』(旺文社刊)で学部・学科マップを見ました。そのとき、世の中にはどんな種類の学問があって、どのように分類されているのかと興味を持ったのがきっかけです。たとえば、モノが下に落ちるのは万有引力の法則で説明ができます。私たちは万有引力を「物理学」という知識に分類しています。このように、私たちは知識についての知識をもっています。この知識の知識にはずっと関心を持ち続けています。
Q3.学生との関係で大切にしていることは何ですか。
私はさまざまな意味でフラットに接することが大切だと思っています。私の担当する院生はほとんどが社会人の方です。院生はそれぞれに異なる背景や目的を持っていますが、私は一人一人の実践者/研究者として向き合うことが重要だと思っています。院生はそれぞれに実践の場を持っています。その実践を尊重しつつ、実践知の探究を共に進めていこうとする姿勢を大切にしています。フラットな関係を築きながら、個別具体的な院生の状況に応えていくようにしています。
Q4.入学を検討されている方へメッセージをお願いします。
私は、今後社会はますます非物質化社会になると思っています。そのなかには、皆さんがお持ちになっている経験知や実践知が含まれます。その知識を形式知に変える重要性があることは言うまでもありません。皆さんが仕事をしている実践の場は、それぞれの実験室であり研究室です。知識は自分のなかに閉じ込めておくだけではなく、他者と共有し活用されることで真の価値を発揮します。学び直しが重要とされる社会で、お互いに学び、教えあう社会の担い手になりませんか。知識のフォロワーではなく、知識のリーダーへ。ぜひ本学の門をたたいてください。
実践と理論を融合し、課題の解決を図る
2年間の集大成「2年次最終審査会」
本学では、2月11日・12日に「2年次最終審査会」を開催しました。本学の社会人院生は、指導教員のもとで自身の実務に関わる研究を遂行し、2年間の学びの集大成として、修士論文に相当する「専門職学位論文」を作成します。最終審査会の口頭試問において研究成果を発表し、合格することで晴れて修了となります。
最終審査会はオンラインと対面双方のハイフレックス形式で実施しており、卒業生は修了後にも後輩の審査会を聴講し、最先端の研究に触れることができます。院生は研究のなかで自らの実務に関わる課題を構造化し、その解決策を提言します。審査会では教員から多様な視点での質問がありますが、いずれの院生も自信をもって回答しており、大学院生活での成長を発揮する機会となりました。
社会人向け大学院では、自らの実務を「棚卸し」しながら関連する理論を学ぶことで、現在抱える業務上の課題を検討するための一段高い視野を身につけ、具体的かつ実現可能な戦略を打ち立てることができます。こうした経験は今後のキャリアを支える助けとなることでしょう。また、各分野の専門家である教員や、近しい領域の社会人院生との結びつきは、生涯の財産ともなります。
2023年4月入学の最終出願締め切りは3月6日です。ご自身の専門性をさらに高めたい方、これまでと異なる視点で実務を見つめ直したい方のご出願をお待ちしています。
学校法人先端教育機構 社会構想大学院大学
リカレント教育の最前線
社会構想大学院大学
社会構想大学院大学は、社会人向け総合専門職大学院です。社会人の皆さまが培ってきた実務経験をより実り豊かなものにするため、実務教育研究科とコミュニケーションデザイン研究科において、平日夜間と土曜日に授業を開講。2年間の修業年限を経て、修士号の取得を目指します。
研究科・学位
実務教育研究科:
実務教育学修士(専門職)
コミュニケーションデザイン研究科:
コミュニケーションデザイン修士(専門職)
問い合わせ先
TEL 03-3207-0005
東京都新宿区高田馬場1-25-30
(高田馬場駅 JR3分、東西線1分)
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