「早稲田エンダウメント」の戦略的投資予算で研究や教育を世界水準に

海外のトップ大学は、数兆円規模のエンダウメント(基金)の運用益(年間数千億円)をもとに、教育・研究活動を充実させ、成長を続けている。「早稲田エンダウメント」を立ち上げ、強固な財政基盤の構築を目指す早稲田大学。常任理事(財務担当)の宮島英昭氏にその狙いを聞いた。

「世界で輝くWASEDA」に向けて
エンダウメントで財政基盤を強化

宮島 英昭

宮島 英昭

早稲田大学 常任理事(財務担当)
立教大学経済学部卒、東京大学大学院博士課程単位取得修了、早稲田大学商学博士。財務省財務総合研究所・特別研究官、独立行政法人経済産業研究所ファカルティフェロー、早稲田大学高等研究所所長などを歴任。経済産業省「我が国企業による海外M&A研究会」座長、RIETI「企業統治分析のフロンティア」プロジェクトリーダーなども務める。研究テーマは日本経済論、企業金融、企業統治。

──「Waseda Endowment」(以下、「早稲田エンダウメント」)によって、強固な財政基盤の構築を目指されています。

宮島 早稲田大学では「世界で輝くWASEDA」を目指し、研究や教育の質を世界水準に近づけることを狙っています。世界トップレベルの大学を見ると、各大学における運用資産額の規模とQS社が毎年公開する「QS世界大学ランキング」の順位には、強い正の相関があるとわかります。2023年版のランキングで、早稲田大学は現在、205位ですが、将来、トップ50位以内に入るためには運用資産額を約5,000億円に増やさなければいけないと考えています。

運用資産額が世界で最も多いのは米国のハーバード大学で、現在は約6兆円とも評価されますが、…

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