京都大学、湊長博総長が語る日本の研究大学が抱える4つの課題
京都大学ではインベンションの伝統を維持しつつ、イノベーションにつなげる取り組みを強化している。また、経営協議会の外部委員を増やし、シェアド・ガバナンスによる大学の運営を進めていく。京都大学の取り組みや日本の研究大学の課題、国立大の機能分化などについて、湊長博総長に伺った。
研究人材の減少や研究環境、国立大の機能分化などに課題
――世界のトップ大学と競争していくには、日本の大学には様々な課題があります。
湊 長博
湊:現在、京都大学が抱える課題は、日本のすべての研究大学が抱える問題だと思います。課題は、4つほどありますが、第1に「研究人材の減少」です。その要因のひとつは18歳人口の急減で、想定を超えるスケールで進んでいます。
また、日本では研究者のキャリアパスが未成熟で、大学院博士課程から若手 PI(Principal Investigator:研究室の主宰者)までの道筋が未確立な点も挙げられます。その背景には、博士課程のフェローシップ(研究奨学金)の圧倒的な貧弱さがあり...
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