大学経営と運営をプロ化し真に世界と伍する大学への変革を

内閣府が運営する大学支援フォーラムPEAKS「真に世界と伍する研究大学WG」は、7月に大学ファンドの対象大学として変革すべき事項を整理し公表した。主査を務める大阪大学の理事・副学長の尾上孝雄氏に、その要点を伺った。

国内研究大学の現状と
世界トップ大学との比較

尾上 孝雄

尾上 孝雄

大阪大学 理事・副学長
大学支援フォーラムPEAKS「真に世界と伍する研究大学WG」主査
1991年大阪大学工学部電子工学科卒業、大阪大学助手、講師、京都大学助教授などを経て2003年大阪大学大学院情報科学研究科教授。2019年より現職、情報推進本部長、附属図書館長兼務。

2021年8月10日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、「科学技術指標2021」を取りまとめた。主な指標を見ると、注目度の高い論文数(Top10%補正論文)では、世界9位から10位と後退した。こうした論文数の相対的な世界的シェアの低下をはじめ、博士課程進学者、若手研究者の減少、海外出身教員、留学生の伸び悩みなど日本の研究大学を取り巻く現状には様々な課題がある。

大阪大学の理事・副学長で、内閣府が運営する大学支援フォーラムPEAKS「真に世界と伍する研究大学WG」(以下、研究大学WG)の主査を務める尾上孝雄氏は、世界トップ大学と日本の大学を比較した際の現状をこう分析する。

「まず、大学の資金規模や伸び率の圧倒的な違いがあります。例えば、オックスフォード大学は、2005年から2019年の間に約3倍収入が…

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