ファンドレイザーの戦略的活用を、日本の大学と遺贈寄付の可能性

日本の大学の財務基盤づくりは欧米のトップ大学と比較して大きな遅れを取っている。大学の財務基盤づくりで重要となる寄付金を、日本の大学が集めていくための方策について、日本ファンドレイジング協会代表理事の鵜尾雅隆氏に伺った。

米国では在校生が卒業生に寄付を求める「paying forward」も

鵜尾 雅隆

鵜尾 雅隆

日本ファンドレイジング協会 代表理事
JICA、外務省、NPO等を経て2008年NPO向け戦略コンサルティング企業(株)ファンドレックス創業、2009年、課題解決先進国を目指して、社会のお金の流れを変えるため、日本ファンドレイジング協会を創設し、2012年から現職。GSG 社会インパクト投資タスクフォース日本諮問委員会副委員長、大学院大学至善館特任教授等も務める。

──欧米の大学と比較して、日本の大学ではなかなか寄付が集まりません

日米には寄付のマーケットの大きさの違いがありますが、日本でも個人は年間7,000億円程度、法人も入れれば1兆数千億円の寄付があります。米国は極端な国で40兆円程度ありますが、イギリスなど他の国ではそれほど大きい訳でなく、日本にもポテンシャルはあると思います。日本の大学で寄付が少ない理由としては、第1に、そのための戦略やファンドレイザーを含む体制を作っているところがほとんどないことが挙げられます。

第2に、大学には同窓会があり、欧米では在学中の学生も…

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