シード・アーリー中心に投資を展開、国立大学発ベンチャー創出を支援

国立大学では経営体への転換を迫られる中、多様な財源の確保が必要になっている。その1つとして期待されるのは、大学発ベンチャーの創出だ。これを支えるベンチャーキャピタルの活動や今後の方針について、京都大学イノベーションキャピタル代表取締役社長の楠美公氏に聞いた。

国立大の研究成果の実用化に向け
設立された京大出資のVC

楠美 公

楠美 公

京都大学イノベーションキャピタル株式会社 代表取締役社長
三井住友銀行にて、投資銀行業務(流動化・証券化、社債、シンジケーション等)を長く担当。また、SMBCベンチャーキャピタルでは、PE部門ヘッドとしてバイアウトファンドを運営し、上場企業を含む複数の投資先企業に、社外取締役、常勤顧問として経営に参画。2013年4月からは京都大学にて、大学出資事業の制度設計を担当。2014年12月京都大学イノベーションキャピタル設立時に執行役員投資部長に就任し、2020年4月より現職。

国立大学がもつ研究成果を実用化し、社会にインパクトを与える新たな価値創造につなげていくためには、大学発ベンチャー創出と、それを支えるベンチャーキャピタル(VC)の存在が不可欠だ。

こうした背景により、2013年1月に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の閣議決定がなされ、同年3月に文部科学省の「官民イノベーションプログラム(大学出資事業)」の下、京都大学、東京大学、大阪大学、東北大学の4大学に政府からの出資が行われた。全体の出資金は1000億円で、運営費交付金200億円も交付された。

京都大学はこのうち、出資金292億円、運営費交付金58億円の計350億円の交付を受けた。この資金を基に2014年12月、京都大学は100%出資子会社として、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)を設立。2016年1月には…

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