研究力低下の背景と総合的な研究者支援の必要性とは?

日本の研究力低下が指摘されて久しい。その要因として博士人材のキャリアパスや若手研究者支援の在り方を指摘する声もある。経済学者として、研究者のインタビューなどの調査・分析をしてきた千葉大学の長根裕美教授に、研究力低下の背景や若手研究者支援の在り方などを聞いた。

経済学者から見た
日本の研究力低下の要因

長根 裕美

長根 裕美

千葉大学 大学院社会科学研究院 教授
博士(経済学)。政策研究大学院大学 助教授、千葉大学 法経学部 准教授などを経て、2019年10月から現職。文部科学省科学技術・学術政策研究所 客員研究官 、政策研究大学院大学 客員研究員。最近の主な研究・論文に、 「フェローシップ制度はどう若手研究者養成に貢献するか?マイクロデータに基づく実証分析」、「研究者養成システムの変遷と研究システムへの影響 」など。

── 日本の研究力低下が指摘されて久しいところですが、その要因をどうお考えでしょうか。

長根 研究力低下の要因は、諸説ありますが、研究者や研究者を支える人材の観点でみると、研究者が厳しい状況に置かれていることは、20年以上前から言われていました。その一つが博士号を取得しても就職先がないことです。

(※全文:2623文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。