アカデミアと民間をつなぐ 博士人材に多様な活躍の場を

“民間とアカデミアの壁を崩し、世の中にもっと多様なキャリアパスを”をミッションに、2019年5月に設立したtayo。研究者向け求人情報プラットフォームを運営し、ベンチャー企業等の博士人材活用をサポートする。自身も博士号を持つ熊谷洋平代表に起業の背景や取組みなど聞いた。

3,000人以上の豊富な研究人材から
企業との最適なマッチングを実現

熊谷 洋平

熊谷 洋平

株式会社tayo 代表取締役
2018年、東京大学大気海洋研究所にて博士(環境学)を取得。専門は海洋微生物学とバイオインフォマティクス。博士号取得後は株式会社フリークアウトにて機械学習エンジニアとして勤務。その後、国立研究開発法人海洋研究開発機構に移り深海微生物学者として研究する傍ら、2019年5月に株式会社tayoを設立、2021年7月に専業化。

日本の研究者に占める博士号保持者の割合は米国の半分以下(日本4.2%、米国10.6%)であり、産業界で活躍する博士人材は少ない状況にある。民間活用が広がらない背景の1つとして、人材紹介事業にPh.D.を持つエージェントが少ないことを指摘する声もある。博士人材の持つ高い専門性・技術への理解が、人材を紹介するエージェント側にも足りないことが、博士人材の活用を妨げる要因の1つと考えられるからだ。

東京大学大気海洋研究所で博士(環境学)を取得後、民間企業でAI関連の研究開発に携わり、その後、国の研究機関で研究をする傍ら、2019年5月に株式会社tayoを立ち上げた熊谷洋平氏。同社立ち上げの背景をこう話す。

「民間でも博士が活躍できる研究開発の場はあります。ただ、活用に必要な周辺のエコシステムができていない。Ph.D.を持つ自分が、民間とアカデミアの間に立って人材紹介事業をすることで、こうした問題を解決できるのではないかと『tayo』を設立しました」

(※全文:2146文字 画像:あり)

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