人事異動の実態から見る大学職員の能力開発の可能性

人事異動は「専門性の醸成を阻害する」と批判されることがある。プロフェッショナルな大学職員の養成が課題となる中、昨年『大学職員人事異動制度の実証的研究』を上梓した一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部・研究科の木村弘志氏に人事異動とSDの関係性などを聞いた。

非ルーティン的な業務の経験が
プロアクティブな行動を促進

木村 弘志

木村 弘志

一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部・研究科事務室 総務係長
京都大学理学部理学科卒業、桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科修士課程修了、東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コース博士課程修了。博士(教育学)。専門は大学職員研究。東京大学大学院教育学研究科教育学研究員。主な著書に『大学職員人事異動制度の実証的研究』(東信堂)。

── 大学職員として働きながら、SD(Staff Developmentの略。大学職員の能力開発)などをテーマに研究活動をされている背景をお聞かせください。

木村 高校生のころから漠然と、みんなが日々楽しく幸せに暮らせる世界であって欲しいと考えていました。そして就職後に、人生の3分の1ぐらいの時間は仕事に充てられるのだから、仕事がうまくできて満足感を得られれば、労働者の人生は楽しくなるだろうと思い至りました。これが一つめの理由です。

(※全文:2408文字 画像:あり)

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