社会人大学院生が描く茅野市の未来図

社会構想大学院 NEWS&TOPICS

実務と研究を結ぶ地域政策の実践

社会人大学院生が理論と現場を往復しながら描いた構想群。
外部の専門知と地域の現場知が交差し、新たな政策形成の可能性を示した。

長野県茅野市で2月20日、社会構想大学院大学社会構想研究科の院生による政策提言報告会が開かれた。本報告会は、昨年、同大学院大学と茅野市が締結した包括連携協定に基づくプロジェクトの一環として実施。社会人大学院生9人が現地調査やヒアリングを重ね、市の第6次総合計画を踏まえた9構想を発表。会場では今井敦市長をはじめ市幹部と活発な議論が交わされた。

象徴的だったのは、「世界一のグリーンインフラ研究都市」を掲げた提案だ。八ヶ岳や蓼科、白樺湖へと連なる標高差約2,000メートルの自然環境を“実験場”と捉え、雨水貯留や生物多様性保全を都市政策に組み込む研究拠点の誘致を構想。研究者の移住促進や大学サテライト設置まで踏み込んだ長期ビジョンを示した。また、「再生型循環都市プログラム」では、持続可能性を超え“自然を回復させる経済”への転換を提唱。自然資本の増価や社会的投資収益率の試算も提示された。縄文文化を軸に国宝土偶を結ぶ観光ネットワーク構築や学生ガイド育成構想、ブランド農産物「蓼科野菜」を核とした6次産業化戦略など、産業振興策も具体的だ。さらに「夫婦喧嘩をしない街宣言」や「おせっかい会議」創設など、幸福度やコミュニティ再生に踏み込む社会政策も提示された。

今井市長は「従来のまちづくりだけではなく、変えるべきことは変える時代。皆さんの提言は大きなヒントになる」と応じた。外部の専門知と地域の現場知が交差する場となり、政策形成の新たな可能性を感じさせた。

人口減少と産業構造の転換が進む中、地域は何を核に未来を描くのか。実務経験を持つ社会人が、理論と現場を往復しながら描く“実装前提”の構想群。外部の専門知と市民の協働を掛け合わせ、長期的な視点で地域価値を再構築しようとする本取り組みは、地方創生の次なる可能性を示す試みといえるだろう。

報告会終了後に撮影した集合写真。前列右から2人目が今井敦市長。

社会人大学院生による政策提言報告会

現地調査やヒアリングを踏まえた9つの構想を発表。
自然・文化・幸福を軸に、茅野市の未来像について市幹部と議論した。

 

●社会構想研究科
政策を社会・地域に活かす。

●コミュニケーションデザイン研究科
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●実務教育研究科
実務家教員を目指す。

 

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