社員のITスキル0からの改革、平均年齢60代、京都・手芸卸のDX

DXが急速に進む一方、平均年齢の高い中小企業でのDXは難易度が高い。京都で50年の歴史を持つ老舗手芸卸「ハマヤ」は、超アナログ企業からデジタル企業へ、短期間で変貌を遂げた。2018年にCTOとしてハマヤに入社し、同社のDXを進めた若井信一郎氏に話を聞いた。

効果の分かりやすい改善で
社員のIT嫌いを払拭

若井 信一郎

若井 信一郎

株式会社ハマヤ 代表取締役CTO兼CIO
1993年生まれ。理系大学を卒業後、関西のデジタルマーケティングのベンチャー企業に入社。2018年、株式会社ハマヤの現CEO有川祐己氏から部長職としてオファーを受け入社。平均年齢60代の企業のDXを実現し、CTOに就任。現在では個人で、DX 人材 育成プログラム「Beginners DX Dojo」の運営もしている。日本CTO協会 Contributor。

関西のデジタルマーケティング企業でエンジニアをしていた若井氏が、CTO(Chief Technology Officer)としてハマヤに入社した2018年。デジタルに囲まれて過ごしてきた若井氏は大きなギャップに驚いたという。「約10万点ある商品の管理は、長年勤めてきた人の記憶頼み。受発注は基本電話、FAXが使えればいいほうでメールなんてもってのほか。会計には5枚綴りの複写伝票が使われていて、4枚目、5枚目は何に使われているのか分からないような状況でした」。

手芸業界が斜陽産業となるなか、生き残るためのIT化は必須の状況で、若井氏は現CEOの有川祐己氏に請われ同社のデジタル化を任された。2018年当時、ハマヤの平均年齢は60代で、70代~80代の社員も現役で…

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