ラーニングカルチャーの醸成へ 学びの共有が企業価値を高める

米国Udemy社との業務資本提携によりオンライン学習プラットフォーム「Udemy」を提供するベネッセコーポレーションは3月25日、「従業員の学びと組織の成果」と題し、村田製作所との共同調査結果などに関する説明会を開催。リスキリングと組織成果創出の関連性などを考察した。

オンラインで実践的な学びを
Udemy事業10周年の歩み

ベネッセコーポレーションの説明会では、冒頭、ラーニングデザイン部部長の内木場絵理氏が10周年を迎えるUdemy事業の概要と歩みを紹介した。同社は米国Udemy社と、2015年3月に包括的業務提携契約を締結。個人向にオンライン動画学習プラットフォーム「Udemy」の提供を開始した。

Udemyは学びたい人と教えたい人をつなぐCtoCプラットフォームで、当時は教育関係者に限らず現役エンジニアやデザイナー、マーケターなど、さまざまな専門領域を持つ講師が参加し話題となった。学びたい人には企業の人事担当者や管理職も多く、社内研修として活用したいという声が寄せられた。

それに応え、2019年に法人向けの「Udemy Business」を展開し、現在は企業のみならず自治体の職員育成、地域社会支援、大学・専門学校のプログラムなど幅広く活用されている。

「Udemyには当初より、IT領域に高い専門性を持つ講師がたくさんいます。そうした方々が現場で培ってきたスキルや業界のトレンドを捉えた講座が特長です。この10年を振り返ると2015年当初は、iOS開発、アプリ開発の講座が人気でした。その翌年16年にはプログラミング言語Pythonに最も人気が集まり、その後もデータサイエンスに関する関心の高まりは続いています。18年には、機械学習・ニューラルネットワークが、23年からはChatGPTなど生成AIに関する講習の需要が急増しました」

業種別組織における
従業員の学習意識調査について

次に、マーケティング統括部データ戦略推進責任者の大塚卓氏が登壇。「日本企業はDXに対応する人材育成と労働人口減少を補う全員戦力化が急務であり、これを実現するためには、タレント・マネジメント対策や組織力開発が不可欠で、リスキリングで獲得した新たな知識を、業務に活用しながら組織を変化させていくことが求められます」と話した。

また「個人の学習」における学習成果に関わる構成要素は、自立学習に取り組んだ「学習の目的」、新しいスキルを学ぶ「きっかけ」、学習機会が増加する「学習習慣」が重要な要素となる。一方、「組織の取り組み」における学習成果に関わる構成要素は、職場内でスキル獲得の「期待」、自立学習における職場の「サポート」、学んだことを職場で「活用する機会」などの取り組みが必要であり、これら6つの要素が揃うことで、組織全体に学びを浸透させ、継続的な成長(売上増や新規ビジネス創出)を実現できるという。

(※全文:2348文字 画像:あり)

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