女性活躍・DE&Iの実現へ 本質的理解が求められる

堀江 敦子

堀江 敦子

スリール株式会社 代表取締役社長
内閣府 男女共同参画局 専門委員
厚生労働省 イクメンプロジェクト 専門委員
こども家庭庁 こども家庭審議会 委員
千葉大学 教育学部 非常勤講師

経営においてこれから必要になるのは、日本企業のDE&Iや女性活躍の本質の理解です。理由は様々ですが、まず挙げられるのが深刻な労働人口の減少です。現在、多くの企業で50代以上の社員の比率が高まり、5~10年後には社員の人口ピラミッドはシニア層中心となります。一方で次世代の中間管理職層は激減し、若手離職率も高まっています。従来の長時間労働や偏った管理職登用を続けていては、事業は成立したなくなるでしょう。

経営リスクの観点でも、DE&Iは重要です。同質的集団によるガバナンスはグループシンク(集団浅慮)を招き、重大な意思決定ミスにつながります。多様性がある組織では議論は大変になりますが、正確な判断に近づけることが実証されています。

女性管理職の登用が進まない要因として、制度・体制面の課題があります。管理職育成・登用のタイミングが20代後半~30代で、ライフイベント時期と重なります。育児で休職・時短になると評価が下がったまま上がらず、時間制約がある中では管理職は難しいとみなされます。女性を管理職候補として育成しない上司の意識や、管理職への意欲に乏しい女性本人の意識も課題です。企業は女性管理職パイプラインの切れ目、仕組み・構造、意識の問題を分析し、施策を行うことが欠かせません。

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