アントレプレナーシップ教育を通じて、豊かで活力ある社会に

山本 拓真
株式会社カナミックネットワーク 代表取締役社長
一般社団法人日本スタートアップ支援協会 顧問
一般社団法人東京ニュービジネス協議会 理事
文部科学省 アントレプレナーシップ推進大使
私は現在、日本スタートアップ支援協会の顧問として、スタートアップのメンタリングに携わるとともに、東京ニュービジネス協議会では、「IPO・M&Aスクール」のメンターを務め、IPOやM&Aによる成長を本気で志す起業家への伴走支援を行っています。こうした活動を通じて感じるのは、日本では起業家を育てるエコシステムがまだまだ脆弱であることです。起業家支援に取り組む40~50代の経営者もいますが、そうした人材の層は薄く、持続的なスタートアップ支援のエコシステムが構築されていません。
私は2024年5月から文部科学省「アントレプレナーシップ推進大使」の任命を受け、小中高校で授業・講演等に登壇しています。なぜ私がアントレプレナーシップ(起業家精神)教育に力を注ぐのか。それは自身の原体験に基づいています。私の小学校の卒業文集を見返すと、クラスで私だけが「社長になる」と書いていました。父が経営者で、幼少期から社長という存在を身近に感じていたことが、私の原点の一つです。
実際、私の周囲の経営者仲間を見ても、親が経営者という人が多い。社長を身近に感じられる環境が、起業家を育む土壌となります。だからこそ、アントレプレナーシップ推進大使の活動には大きな意義があります。子どもたちが経営者・起業家と直接交流し、起業やチャレンジ精神を身近に感じる機会を創出できるからです。
日本では「将来なりたい職業」に社長や起業家を挙げる子はほとんどいません。社長を目指す人がいない国から、どうして起業家が生まれるでしょうか。その背景には、失敗を許さない文化があります。私は高校生に「今すぐ起業すればいい」と伝えています。自分が課題だと思うことで起業し、仮に失敗したとしても、それは貴重な経験になります。
(※全文:867文字 画像:あり)
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