さらなる留学生獲得に向けて 日本の大学に求められる方策

日本の留学生数は政策的な後押しもあり、近年増加しているが、留学生視点での受入れ促進となっているだろうか。日本の都合を優先した取組みになってはいないだろうか。

日本の留学生受入れの現況

太田 浩

太田 浩

一橋大学 全学共通教育センター 教授
専門は比較・国際教育学,高等教育国際化論。ニューヨーク州立大学バッファロー校教育学大学院博士課程修了。Ph.D. 留学生教育学会副会長。東北大学特任(客員)教授。日本学生支援機構客員研究員。2023-24年、ハーバード大学イエンチン研究所招へい客員教授。近著はEast and Southeast Asian Perspectives on the Internationalisation of Higher Education: (Routledge)

2024年5月1日現在、日本の留学生総数は336,708人で、高等教育機関(専修学校を含む)に在籍する留学生は229,467人である。2019年の31.2万人を超えて史上最高となった。しかし、世界の留学生数690万人(2022年)における日本のシェアは2%程度であり、2000年の4%から減少している。出身国・地域別に見ると、中国36.7%、ネパール19.2%、ベトナム12.0%、ミャンマー4.9%、韓国4.3%など、アジアからの留学生が全体の92.5%を占めている。かつては、留学生総数の7~8割を中国人が占め漢字圏からの留学生が主流だったが、現在は出身国・地域の多様化が進んでいる。

(※全文:2644文字 画像:あり)

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