社会的能力とEQを伸ばす。21世紀に必要な教育「SEL」とは?

海外で広がりを見せる教育アプローチSocial Emotional Learning。子どもの感情を育てていくEQと社会スキルに注目し、双方向のアプローチで生まれ持った可能性を磨き上げる手法だ。日本でSEL普及に挑むroku youの下向依梨代表に、話を聞いた。

自分の気持ちに気づく力と
関係性を構築する力を育む

下向 依梨

下向 依梨

株式会社roku you 代表取締役
米国・ペンシルベニア大学教育大学院で発達心理学において修士号を取得。帰国後は東京のオルタナティブスクール(小学校)で勤務。さらに教材会社で働きながら、教育関連の企画など複数のプロジェクトに従事。2018年、教育クリエイターとして独立。2019年に株式会社rokuyouを設立し、代表取締役に就任。沖縄を拠点に教育クリエイターとしてSEL(社会性と情動の学習)の手法で、全国の学校や教育委員会などを支援し、『21世紀の教育』(ダイヤモンド社)では解説を執筆。

── SELとは何か。SELとの出会いについてお聞かせください。

下向 私はSELという新しい教育アプローチを用いて、生徒一人ひとりの生まれ持った可能性を磨き続けるための支援をしています。SELとはSocial Emotional Learningの略で、日本では「社会性と情動の学習」と呼ばれています。

Socialは、人と関わる上で良い関係性を構築するための「社会的能力(ソーシャルスキル)」のことです。そしてEmotionalは、日本語で「情動」と訳されますが、自分や他者の気持ちの動き(情動)に気づき、うまく付き合える能力、いわゆる「EQ(心の知能指数)」と呼ばれるものを指します。つまり、SELとはこの2つの能力を伸ばすための学びであり、非認知能力を育む学びと言えます。

(※全文:2503文字 画像:あり)

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