社会構想大 派遣責任者&修了生の声 味の素グローバルコミュニケーション部

味の素のグローバルコミュニケーション部は約60人。大きな組織だからこそジョブローテーションが多く、広報ひと筋というキャリアはむしろ少数派だという。その中で、専門性をどう育てるのか。

執行理事でグローバルコミュニケーション部長の小笠原和子氏は研究職として入社し、2018年に広報部門へ。「専門職だから、きちんと学びたい」と自ら上司に掛け合い、本学の修士課程を修了した。その学びを部内で報告したとき、「次は自分が行きたい」と手を挙げたのが石川有紀子氏である。

同じく研究職出身の石川氏は2025年3月に修了し、同年7月からメディアグループでメディア対応を担う。2026年春には、部内から3人目も入学した。上から命じるのではなく、学んだ人が次の人を呼ぶ。その循環は職場に何をもたらしているのか。二人に聞いた。

学びの連鎖が、
広報の質を上げる。

建設という事業は、生活者が日々その名を目にする類のものではない。それでも、人材の獲得も、事業への理解も、社会との接点なしには成り立たない。

BtoB企業の広報は、誰に向けて、何を語るのか。鹿島建設 広報室で社外広報とCSRを担う庄司優子氏が、本学で二年間向き合ったのは、その問いだった。研究成果報告書のテーマは「BtoB企業におけるオリジナルキャラクター活用の意義」。建設業界特有の採用課題という、実務の問題意識から出発している。 派遣を決めたのは、広報室長の田辺義晴氏。リスク管理の畑から広報室長になった当初、経験だけでは触れられない領域があると痛感したという。体系的な学びが要る。そう考えて社内を見渡し、白羽の矢を立てたのが庄司氏だった。2024年に入学した庄司氏は今年3月に修了し、7月からは広告担当として新たな業務に取り組んでいる。学びを終えて戻った広報室で何が変わったのか。田辺氏と本人に聞いた。

広報部門責任者(派遣責任者)の声

学びは、
部門の力になる。

小笠原 和子

小笠原 和子

執行理事
グローバルコミュニケーション部長

──ご自身も本学の修了生です。石川さんの学びは、職場にどう表れていますか。

小笠原 私が修了して部内で学びを報告したとき、石川が「次は自分が行きたい」と言ってくれた。それがとても嬉しかったですね。通っている頃から、大学院で聞いたことを部内に共有してくれていました。もともと日頃から発信してくれる人ですが、そこに学術的な裏付けが加わって、説得力が増した。広報の効果をどう測るかという議論でも、部内の議論だけでは到達できない知見をインプットしてくれます。

統合報告書を担当していた経験もあり、生活者だけでなく投資家など、多様なステークホルダーを前提に視野広く議論できるのが石川の強みです。当社はローテーションが多く、広報を専門にしてきた人は一部です。だからこそ大学院には毎年一人送りたい。学びを重ねた人が増えれば、業務の品質そのものが上がります。石川は、この会社の広報をリードしてくれる人材になると期待しています。

修了者の声(コミュニケーションデザイン研究科※)

広報を、
キャリアの軸にする。

石川 有紀子

石川 有紀子

グローバルコミュニケーション部
メディアグループ シニアマネージャー

──大学院での学びは、現在の仕事にどう生きていますか。

石川 研究職として入社し、その後復職して配属されたのが広報です。3、4年たつと面白くなり、自分のキャリアの軸にしたいと思っていた頃に、小笠原から大学院の話を聞きました。それなら理論をきちんと身につけてから歩みたい、と。入学当時は統合報告書の担当で、向き合う相手は機関投資家でした。授業ごとに異なる視点を学び、視野が一気に広がりました。2025年7月からは、未経験だったメディア対応を担当しています。それでも体系的に学んだ土台があったので、受け止めることができました。PESOモデルを当社でどう戦略的に生かすかを考え、KPIも露出の積み上げだけでなく、自分たちの行動、露出、受け手の態度変容や企業価値への貢献の三段階で設定しました。研究テーマは、ローテーションの多い組織での広報人材の育成です。期待はありがたい半面、プレッシャーも感じますが、自組織で育成プログラムを立ち上げ、仕組化していきたいです。

※2027年4月に広報コミュニケーション研究科へ
名称変更予定

 

●社会構想研究科
政策を社会・地域に活かす。

●コミュニケーションデザイン研究科
理念に基づく経営・広報戦略。

●実務教育研究科
実務家教員を目指す。

 

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