反DEIで高まる大学への圧力を米国の歴史から読み解く
米国では第2次トランプ政権発足後、反DEIのもとで大学への圧力が高まっている。書籍『世界の大学に何が起きているのか―大学ファンディングの政治化』(東信堂)で大学への反DEIを分析している山梨大学教育統括機構アドミッションセンター特任助教の吉田翔太郎氏に話を聞いた。
反DEIの理解では米国の歴史を
さかのぼって考えることが必要
吉田 翔太郎
山梨大学 教育統括機構アドミッション
センター 特任助教
東京学芸大学教育学部卒業後、山梨大学事務系職員。2021年3月、東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 教育社会科学専修 大学経営・政策コース修士課程で修士(教育学)取得。22年4月より現職。26年3月、同コース 博士課程を修了、博士(教育学)を取得。両角亜希子・白川優治・齋藤芳子編著『世界の大学に何が起きているのか』(東信堂、2026年4月刊行)の第7章「米国の反DEI―大学に対する反DEIの背景―」を執筆担当。主な研究テーマはアメリカ高等教育史、アメリカ高等教育、大学入学者選抜。
── 2025年1月の第2次トランプ政権発足後、反DEI(多様性・公平性・包摂性への反対)のもとで大学への圧力が高まっています。
吉田 反DEIについて、トランプ政権の誕生から捉えるのは妥当ではなく、米国の歴史をさかのぼって考える必要があると思います。米国は建国以来、人種問題を抱え、南北戦争以降は白人と黒人の平等を目指す動きと、それに反発する動きがせめぎ合ってきました。反DEIは2025年に突然始まったわけではなく、この大きな流れの延長にあります。
米国では1960年代の公民権運動期に差別を是正する取り組みが段階的に広がりました。大学においても入学時に人種マイノリティを考慮するアファーマティブ・アクション(AA)が始まりました。
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