生徒の「やってみたい」を起点に 教育と社会を繋げるプラットフォーム

教育現場で実践が進む「探究学習」。しかし、リソース不足などの課題により、理想と現実のギャップに悩む声も少なくない。一般社団法人e-donutsはそのギャップを解消するための支援に取り組む団体。代表理事の藤原彪人氏に取り組みについて話を聞いた。

学生時代に痛感した教育格差

藤原 彪人

藤原 彪人

一般社団法人e-donuts 代表理事
2022年に京都大学経済学部を卒業後、A.T.カーニーに新卒で入社。約1年間複数業種の戦略策定案件などに従事したのち、同社を退職。自身の家庭環境を背景に教育に強い関心を持ち、学校支援をすべく2023年5月にe-donutsを創業。

2023年5月に設立したe-donutsは「10代の『やってみたい』を育てる、叶える。」をミッションに掲げ、公教育の探究学習を支援する団体だ。代表理事の藤原彪人氏は京都大学を卒業後、外資系コンサルティングファームを経てe-donutsを立ち上げた。背景には、学生時代に抱いた教育に対する強い課題意識があった。

「私は母子家庭で育ちました。大切に育ててもらい感謝しかありませんが、家庭年収が主な理由で、塾に通ったり留学に行くことはできませんでした。大学に入り、他の学生と接する中で教育機会の格差を痛感することとなりました」

当初は、格差の是正を目指していた。しかし、学校現場を回るなかで、「単純に教育支援をすればいい」という考えに違和感を覚えはじめた。折しも学校では「探究学習」が広がり始めていた。藤原氏は学習支援という枠を超え、子どもたち自身の興味を深掘りする機会の拡充こそ、多様な可能性を開くのではないかと確信した。

(※全文:2209文字 画像:あり)

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