子どもたちの探究心に火をつける探究学習の実践とナビゲータ育成
高校の「総合的な探究の時間」など、文部科学省が推進する探究学習。教育現場では、従来の教育方法との違いに戸惑いの声も聞かれる。探究学習の草分け的存在であるラーンネット・グローバルスクール代表の炭谷俊樹氏は、探究学習推進のため、その活動をスケールし続けている。
子どもの個性を認め
探究心を育む教育を日本に
炭谷 俊樹
炭谷氏はマッキンゼーに10年間勤務し、日本や北欧の企業の経営コンサルティングに携わった経歴の持ち主だ。その後、阪神淡路大震災の翌年、1996年に神戸でオルタナティブスクールの先駆けとも言える「ラーンネット・グローバルスクール」を創設。以来27年にわたり、子どもたちが主体的に自らの好奇心・探究心を原動力に学んでいく教育を実践・推進してきた。
ラーンネット・グローバルスクール創設のきっかけは、マッキンゼー時代に、デンマークの社会や教育のあり方に感銘を受けたことにあるという。炭谷氏はこう話す。
「デンマークで娘が入った学校は、モンテッソーリ教育を実践する少人数制で、子ども17人に対し3人の先生という手厚い体制でした。当時、娘は新しい場所では喋らずにじっとしているタイプの子でした。ところがデンマークの先生は『彼女はすごく観察力があります。何もしていないように見えますが、他の子の行動をよく見て、そこから学びとっているので全く心配ありません』と言う。逆にやたらと走り回る男の子がいたら、…
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