持続可能な食の未来を担う人材を育むプログラム

身近なフードロス、農業従事者の高齢化、世界の食の不均衡など、国内外に食の課題が溢れている。日本スローフード協会は、次代の食料生産を担うアントレプレナーの発掘・育成を目指し、「Slow Food Leaning Journey」を実施。代表理事の渡邉めぐみ氏に取り組みについて聞いた。

スローフードの本質に
価値を見出す人々が増加

渡邉 めぐみ

渡邉 めぐみ

一般社団法人 日本スローフード協会 代表理事
早稲田大学教育学部卒業。大学在学時よりスローフードに関わり、若者の仲間を中心にSlow Food Youth Networkを日本で初めて立ち上げる。2015年イタリアに渡り、スローフード協会が設立した食科学大学University of Gastronomic Sciecesにて修士号を取得。国内外のレストランやアグリツーリズモに勤務経験があり、調理、農業、レストランなどの知識を学ぶ。2016年に帰国後、スローフード日本の立ち上げから活発化の中心的役割を担い、2019年4月から代表理事。

日本スローフード協会は、食とそれを取り巻くシステムをより良くしていく草の根運動団体「スローフード協会」の一部。本部はイタリアにあり、1989年に活動を開始して以来、160カ国以上に広まった国際組織に成長、世界中にネットワークを持つ。国内のメンバーは、農家、漁師、食品加工の職人、料理人など、食の教育活動に携わる人や、一般の消費者と多岐に渡る。「スローフードは2000年代初頭にトレンドワードとなり、マーケティングに利用された時期もありましたが、SDGsの浸透やコロナ禍を経て、本質を理解し、心からスローフードに共鳴している層が厚くなっているように近年は感じています」と代表理事の渡邉氏は話す。

同協会は、三菱みらい育成財団の2024年度助成事業に採択され、「Slow Food Leaning Journey」プログラムを実施。目的は「持続可能な食に関する総合的な知識を持ちながら食料生産を担うアントレプレナー、“ガストロノーム”を育成する」ことにある。

(※全文:2052文字 画像:あり)

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