進学実績にも現れる探究教育の効果 探究先進県・山形の現在地

早くから学校教育における探究の実践に取り組んできた山形県。山形県立酒田東高等学校では2018年に「探究科」が設置され、地域とも連携した教育を進めてきた。探究教育に取り組むことで見えてきた成果を、大山校長と山﨑教諭に聞いた。

県を挙げての探究教育導入に
対応

大山 慎一

大山 慎一

山形県立酒田東高等学校 校長

山﨑 倫孝

山﨑 倫孝

山形県立酒田東高等学校 探究学習企画推進部 部長 兼 理数探究科 学科長

山形県は、早くから探究教育に取り組んできた探究先進県だ。2015年に県教育委員会が検討委員会を立ち上げ、2018年に県内3つの高校に課題探究に重点を置く普通系専門学科『探究科』を設置。さらに別の3高校には普通科の中で課題探究に重点的に取り組む『探究コース』を設けた。このとき探究科ができた高校のひとつが、酒田東高等学校だ。

当時、学科・コース新設の議論の背景には、国の文教政策としての“高校改革”と、県の方向性としての“地方創生”があった。

「教育を基盤として『やまがた創生』を進めていくことは特に大きなテーマだったと聞いています。そこで、生徒たちが地域を題材にした課題解決型の学習に取り組んだり、地域への理解を学習成果として発表したりする教育環境の整備が重要視されたようです」と昨年同校に着任した大山校長は話す。

折しも酒田東高等学校では創立100周年を迎えようとしており、数年前から学校のあり方を見直していこうという流れが起きていた。周辺の教育環境なども鑑み、…

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