「民主主義の実践」としての中学校における探究学習の環境デザイン
子どもたちには、自分たちの探究学習の環境をデザインする権利がある。子どもたちと教師が、探究学習の環境をデザインする権利を尊重しあい、責任をわかちもつ民主主義の実践が、子どもたちが探究に熱中する環境を生成していく。
1 探究カリキュラムへの
異議申し立てがやってきた!

鬼塚 拓
宮崎市立宮崎中学校 指導教諭(総合的な学習の時間)
1984年宮崎県串間市生まれ。宮崎大学大学院教育学研究科。宮崎大学教育学部附属中学校教諭等を経て、2025年より現職。「当事者研究の知見を組み込んだ探究カリキュラムの原理・開発研究」及び「民主主義の実践としての探究カリキュラムのマネジメント原理・開発研究」に従事。
「カリキュラムつくるだけでも大変だったんだよ。いろんなことを考えてつくったカリキュラムなんだから、それに沿ってがんばって探究してよ」。教師は心の中でそう思う。確かにそうだ。子どもたちが探究に熱中できるように、あらゆる可能性と選択肢を探り、熟考し、揺らぎながらも決断した先にカリキュラムのかたちがようやく見えてくる。
もしも“苦労の証”としてのカリキュラムに、探究の主人公である子どもたちから異議が申し立てられたとしたらどうだろう。「いやいや、何を言ってるの?」と胸騒ぎを覚えながら問い返すだろうか。それとも、「キミたちのためを思ってつくったカリキュラムなんだよ」と冷静さを保つ努力をしながら返答するだろうか。
(※全文:2598文字 画像:あり)
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