教え合い、学び合いの風土づくりへ 実務家出身の強みを活かす
パナソニックに勤めた後、大学教員となった田上正範氏は、企業でのマネジメント経験は大学でのプロジェクト運営においても有用と語る。そして、実務家は多様な形で大学に関われる可能性があり、アカデミックキャリアの教員とも連携しながら、教育に貢献できると説く。
「交渉学」と出会い、大学教員へと転身
田上正範
追手門学院大学 基盤教育機構の准教授、田上正範氏はパナソニック(当時は松下電器産業)に12年程勤め、個人事業主を経て大学教員となった。パナソニックでは半導体の技術開発や教育関連の新規事業を担当していたが、寝る間も惜しんで仕事をする中で、一度立ち止まってみることも必要と考え、37歳の頃に退職を決意。しかし、独立して何をするかは決めていなかった。
「パナソニック時代の先輩や同僚が心配してくれて、いろんな話を紹介してくれました。そうした中で東京大学の研究プロジェクトを見学する機会があり、『交渉学』という学問に出会ったんです」
交渉学とは、米ハーバード大学の研究に基づく、交渉の成功確率を上げて当事者間が長期にわたる良好な関係を築くための方法論だ。田上氏は交渉学に可能性を感じ…
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