教え合い、学び合いの風土づくりへ 実務家出身の強みを活かす

パナソニックに勤めた後、大学教員となった田上正範氏は、企業でのマネジメント経験は大学でのプロジェクト運営においても有用と語る。そして、実務家は多様な形で大学に関われる可能性があり、アカデミックキャリアの教員とも連携しながら、教育に貢献できると説く。

「交渉学」と出会い、大学教員へと転身

田上正範

田上正範

追手門学院大学 基盤教育機構 准教授
1995年、北海道大学大学院工学研究科を修了し、松下電器産業(現:パナソニック)に入社。半導体デバイスの技術開発を担当し、その後、社内公募による転機を経て、教育サービス事業の企画推進(課長)、関係会社のシステム部門(部長)等を歴任。2007年に独立し、個人事業主に。2010年4月~、合同会社 IT 教育研究所 代表。大阪教育大学 教職教育研究開発センター 研究協力員(2009年5月~2011年3月)、追手門学院大学 教育研究所研究員(2009年9月~2014年3月)などを経て、2015年4月より現職。

追手門学院大学 基盤教育機構の准教授、田上正範氏はパナソニック(当時は松下電器産業)に12年程勤め、個人事業主を経て大学教員となった。パナソニックでは半導体の技術開発や教育関連の新規事業を担当していたが、寝る間も惜しんで仕事をする中で、一度立ち止まってみることも必要と考え、37歳の頃に退職を決意。しかし、独立して何をするかは決めていなかった。

「パナソニック時代の先輩や同僚が心配してくれて、いろんな話を紹介してくれました。そうした中で東京大学の研究プロジェクトを見学する機会があり、『交渉学』という学問に出会ったんです」

交渉学とは、米ハーバード大学の研究に基づく、交渉の成功確率を上げて当事者間が長期にわたる良好な関係を築くための方法論だ。田上氏は交渉学に可能性を感じ…

(※全文:2406文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。