実務家教員は大学の内と外をつなぐ 大学内での関係づくりも重要
実務家教員の役割の1つは、民間企業での経験を大学の内側に持ち込み、それを授業という形で「再文脈化」すること。そのように語る山梨学院大学・児島功和准教授は、大学教員だけでなく専門学校教員についても調査研究しており、実務家教員の実態把握を進めている。
職業現場での経験を、授業という形で「再文脈化」
――「実務家教員」と「アカデミズム教員」を分けることの意味、両者の違いについて、どのように見ていますか。
児島 功和
実務家教員とアカデミズム教員という括りは、実はそれほど簡単ではないと考えます。例えば、修士号や博士号を取り、民間の研究所で働いてから大学教員になった場合、大学外での就労経験がある点では実務家教員とも言えますが、大学院で学び、学位まで取得しているという点ではアカデミックな経歴を持っている教員とも言えます。いわゆる理系の大学教員の場合、こうした層は一定いるはずです。「実務家教員/アカデミズム教員」という括りは、例えば博士号を取得後に民間企業で働くといったキャリアパスが一般的とは言い難い人文・社会科学系分野を前提にしています。
他方、別の意味でも実務家教員とアカデミズム教員という括りが難しくもなっています。FD(教員の能力開発)担当者、IR(学内教学データの収集・分析)担当者、キャリア支援・教育担当者、産官学連携コーディネーター等の...
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