自分自身の可能性を発見、「学び」の更新がキャリアを拓く

実務家教員として「最新学習歴」の更新を続け、コーチングやファシリテーションの力量を備えることは、多方面での活躍につながる。京都芸術大学の教授であり、この4月から社会情報大学院大学で実務家教員の養成を担う本間正人先生に、実務家教員のキャリア設計について話を聞いた。

実務家教員に求められる、教育能力の向上

──大学教員のキャリア設計の難しさについて、どのように見ていますか。

本間正人

本間正人

京都芸術大学 教授
社会情報大学院大学 実務教育研究科 客員教授
1959年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK 教育テレビ「実践ビジネス英会話」の講師や、CS 朝日ニュースターの国際的情報番組「Learning Planet」のアンカーなどを歴任。「教育学」を超える「学習学」を提唱し、大人数の参加型研修講師として定評がある。2021年4月、社会情報大学院大学 実務教育研究科 客員教授に就任。現在、NPO 法人学習学協会代表理事、NPO 法人ハロードリーム実行委員会理事、一般社団法人大学イノベーション研究所代表理事、一般社団法人キャリア教育ネットワーク協議会理事などを務める。

まずアカデミズム出身の教員について言うと、特に人文・社会科学系では若手のテニュア(終身雇用資格)ポストが少ないこと、また国として博士号の取得を奨励しているにもかかわらず、博士人材の待遇に改善が必要なことが大きな課題になっています。

一方、実務家教員のポストは増えていますが、学生を教育指導するための事前トレーニングが不十分であるケースが非常に多い。企業等で立派な実績があっても、それを武勇伝のように語るだけでは学生の役には立ちません。有益な学びを実現するためには、自分の経験を振り返り、言語化・体系化することが重要です。それは自分自身の可能性に気づき、多方面で活躍できるキャリアを築くことにつながります。

──今後、教育はどのように変わるべきだと考えていますか。

アカデミズム教員を含めて、大学教員は…

(※全文:2200文字 画像:あり)

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