実務家教員の能力向上には、職業現場とのつながりが不可欠

教育を実践するためには、教授法の知識・技術に加えて、教えるに足るだけの卓越性・専門性を教員自身が有していることが必要になる。実務家教員にとって卓越性の源は実務経験であり、筑波大学の稲永由紀氏は「教員になった後も職業現場とのつながりが不可欠」と語る。

どう教えるかだけではなく、何を教えられるかが重要に

──実務家教員には、どのような教育能力が求められると見ていますか。

稲永由紀

稲永由紀

筑波大学 大学研究センター 講師
九州大学大学院教育学研究科博士後期課程を単位修得後退学の後、九州大学教育学部助手、広島大学高等教育研究開発センター(および大学情報サービス室)助手、香川大学 大学教育開発センター専任講師を経て、現職。

まず前提として、近年、大学教員の職務は多様化しており、その教員がどのような役割を担うのかによって求められる能力は変わります。

そのうえで教育能力について言うと、効果的な学習を提供するための教授法の知識・技術に加えて、何かしらの卓越性・専門性が求められる。つまり、どのように教えるかだけではなく、何を教えられるかが重要であり、その2つがないと学生に教えるのは難しい。実務家教員の場合、企業等での実務経験が卓越性・専門性になるのだと思います…

(※全文:2261文字 画像:あり)

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