「実務家教員」とは何か 具体的人物像を考える

文部科学省は実務家教員について、「専攻分野における概ね5年以上の実務の経験を有し、かつ高度の実務の能力を有する者」と定義している。果たして、その具体的な人材像を分類・整理することは可能なのか。自身も実務課教員である産業能率大学・古賀暁彦教授に話を聞いた。

「実務家教員」について、一律に定義するのは難しい

──実務家教員について、文部科学省は「専攻分野における概ね5年以上の実務の経験を有し、かつ高度の実務の能力を有する者」と定義していますが、その具体的な人材像について、どのように理解すべきだと考えていますか。

古賀暁彦

古賀暁彦

産業能率大学 情報マネジメント学部 教授
1988年学校法人産業能率大学入職、企業教育部門への教育普及活動の後、eラーニング事業の企画、開発に従事。2007年桜美林大学大学院大学アドミニストレーション専攻通信教育課程修了。現在、産業能率大学情報マネジメント学部教授。教育システム情報学会、日本通信教育学会、日本高等教育学会各会員。

一口に「実務家教員」といっても、文系・理系や専門分野、各大学によって実務家教員の具体像はかなり異なってくるので、実務家教員を一括りで扱うのは難しいと思います。詳細に定義しようとすると現実に合わない部分が出てくるため、文科省の定義が大まかなものになっているのは仕方がないところもあります。

2019年6月の大学教育学会シンポジウムにおいて、私が企画者の一人として「実務家教員を考える」をテーマにしたセッションを行いました。それを企画した背景には…

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