大学教授市場から見る 大学教員の人事や待遇、キャリア形成の変化
大学改革や社会の変化は、大学教員の需要と供給にどのような影響を及ぼしているのか。日本の大学教授市場について長年研究を続けられてきた山野井敦徳教授に、大学教員をめぐる流動性の変化や人事・待遇、キャリアパスの動向、実務家教員の展望について話を聞いた。
大学教授市場の流動性が変化し、教員のキャリア形成にも影響
──昨今の大学教授市場の変化について、どのように見ておられますか。
山野井敦徳
この20~30年で大学の姿は大きく変わりました。従来のアナログ的な産業社会からデジタル知識社会(Society5)へと移行し、大学に求められる知識のあり方はモード1(特定の学問領域の中で行われる教育研究)からモード2(さまざまな領域を横断した教育研究)に変わっています。
それに伴って1990年代以降に学部の名称は大きく変わり、かつては「法学部」「経済学部」「教育学部」といった名称でしたが、「国際〇〇学部」や「情報○〇学部」など、分野横断的な学部が次々に新設されました。
また、2003年に発足した専門職大学院制度が象徴的ですが、従来の研究者養成のための教育ではなく、社会の実践的な知識から構成されるカリキュラムが…
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