大学教員の就職プロセス分析 実務家出身者に求められる努力とは

オーバードクターが社会問題化するなど、大学教員のポスト獲得競争は激化している。こうした状況の中、実務家が大学教員になるためには何が重要になるのか。大学教員をめぐる就職市場の動向や公募の実状、志望者に求められる努力について、香川大学・葛城浩一准教授に話を聞いた。

1つの公募に対して、数百の応募が集まることも

──大学教員の就職市場の状況について、どのように見ていますか。

葛城浩一

葛城浩一

香川大学 大学教育基盤センター 准教授
広島大学教育学部教育学科卒業、同大学院教育学研究科教育学専攻博士課程前期修了、同研究科教育人間科学専攻博士課程後期修了。広島大学高等教育研究開発センター COE 研究員、香川大学 大学教育開発センター講師を経て現職。専門は教育社会学。

私は主にボーダーフリー大学(受験すれば必ず合格するような大学、事実上の全入状態にある大学)の研究をしていますが、2020年度から大学教員の公募情報の内容分析に関する研究にも着手しています。

改めて説明するまでもなく、大学教員の就職市場は非常に厳しい状況にあり、具体的に言うと需要に対して供給があまりに少ない。1つの公募に対して、数百の応募が集まるのは珍しくないという話も聞きます。オーバードクター(就職の意思を持ちながら、未就職の状態にあって研究を続けている博士課程出身者)が社会問題化したのは…

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