企業家精神を実践 実務家教員として大学発ベンチャーを後押し

北海道電力に12年間勤めた後、母校である小樽商科大学の教員に転身した瀬戸篤氏。「産業革命が大学発ベンチャーから始まったように、ベンチャーの創出は大学の重要な役割」と語る瀬戸氏は、企業家精神の研究者でありつつ、自ら実践者として数多くの大学発ベンチャーに携わる。

英国の産業革命は、大学発ベンチャーから始まった

瀬戸 篤

瀬戸 篤

小樽商科大学 ビジネススクール 教授
北海道大学農学博士。1958年生まれ、北海道出身。1983年英国私費留学を経て、小樽商科大学商学部を卒業し、北海道電力に入社。道北営業所、国際大学・ニューヨーク大学大学院派遣留学を経て、同社総合研究所研究員。傍ら、北海道大学大学院農学研究科農業経済学専攻 博士後期課程に学ぶ。1995年小樽商科大商学部助教授、1996年北海道大学農学博士、名古屋大学大学院併任を経て、2005年より現職(専門職大学院アントレプレナーシップ専攻)。これまでに複数社の社外監査役、NEDO 技術委員、経産省・文科省の本省委員を歴任。

数多くの大学発ベンチャーの設立と経営を支援してきた小樽商科大学の瀬戸篤教授は、自らの原点の1つは、20歳で学部に進級して以来42年間にわたって学んできた英国発の産業革命史であるという。

瀬戸氏は著書『イノベーションの成功と失敗』および今年5月に発刊する新著『イノベーション具現化のススメ』において、『国富論』の著者であり経済学の父として知られるアダム・スミスと、ジェームズ・ワットのエピソードを紹介している。

アダム・スミスは母校グラスゴー大学の副学長時代、ワットを大学の技手として雇い入れ、工房の大学内設置を認めた。ワットは工学や物理・数学の講義を無料で受講することが許され...

(※全文:2397文字 画像: あり)

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