大学教員の雇用が多様化 増加する任期付きポスト

任期付きポストの増加は、大学教員の雇用の不安定化をもたらし、教育・研究のパフォーマンスにも影響を及ぼしている。実務家教員の登用が促進される中で、今後、どのような環境整備が求められるのか。名古屋大学 高等教育研究センター・丸山和昭准教授に話を聞いた。

任期付き教員の増加で、様々な問題が顕在化

──大学教員をめぐる多様化の動向について、どのように見ていますか。

丸山和昭

丸山和昭

名古屋大学 高等教育研究センター 准教授
1982年生まれ。2009年3月、東北大学大学院教育学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。2009年4月、東北大学大学院教育学研究科教育ネットワークセンター教育研究支援者。2010年10月、福島大学総合教育研究センター特任准教授(2012年4月より准教授)。2015年10月、名古屋大学高等教育研究センター准教授、現在に至る。

雇用の多様化によって、任期付きのポストが急増しています。また、教育・研究・管理運営などの特定業務に専門特化した大学教員も増えています。

雇用の多様化は政策的に推進されたものであり、任期付きにして流動性を高めることで、教育や研究を活性化することが目指されました。しかし実際は、大学全体として教育や研究のパフォーマンスが上がったとは言えないのが実状です。

例えば国立大学は、国からの運営費交付金が削減される一方、競争的資金や外部資金の導入が…

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