大阪大学×島津製作所の産学連携で、働きながらの博士号取得を支援

急速な技術革新や市場の変化を背景に、リカレント教育やリスキリングが注目される中、島津製作所は若手社員を大阪大学の博士課程に派遣する「REACHラボプロジェクト」を始動させた。その目的や活動内容、展望などを、発案者である上席理事の飯田順子氏に聞いた。

企業派遣で博士号取得を支援
国内企業初の制度がスタート

飯田 順子

飯田 順子

株式会社島津製作所上席理事
大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所所長
京都大学薬学部製薬化学科卒業後、島津製作所に入社。1992年、復職を前提に休職し米国・バージニア大学へ留学。復職後、働きながら京都大学大学院より博士号取得。2006年に同社女性初の部長に就任し、2021年から現職。2019年から、大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所所長、2019年から大阪大学工学研究科特任教授に就任。

分析・計測機器メーカーの島津製作所は、2021年4月から大阪大学と共同で、博士課程での若手技術者・研究者などの養成を目的とした「REACHラボプロジェクト」を立ち上げた。同社によれば、企業派遣で博士号の学位取得を戦略的に支援する制度は国内企業で初となる。30歳前後の若手技術者や研究者の博士号取得を支援し、大学との産学連携を通じてグローバルな高度人材を育成することで、新たな専門性の獲得や国内外の人脈構築につなげたい狙いがある。

島津製作所と大阪大学には、長年にわたって築いてきた信頼関係がある。両者は2008年から代謝物の網羅的解析であるメタボロミクスの共同研究を開始し、2015年には大阪大学で共同研究講座の開設へと発展。さらに2019年には大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所の設立に…

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