知識ベースと実践ベースでの複合かつ段階的な教育が必要

「第4次産業革命」や、生産年齢人口の減少、人手不足のような問題の解決に向けては、さらなるロボットの活用が必要だ。他方で国内では、そこで重要な役割を果たす「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」が質・量ともに不足しており、その育成が課題となっている。

需要に対し、質・量ともに
不足しているロボットSIer

間瀬 好康

間瀬 好康

愛知工業大学客員教授
大学卒業後、豊田工機(現ジェイテクト)で生産技術を担当後、工業高校の教員に転身。2016年から愛知総合工科高等学校で初代校長を務めた。2018年から現職。若い人達に技術と技能の両方を兼ね備えた「テクノロジスト」であり、複数の専門領域を持ち、状況に応じていくつもの役割をこなせる多才な「バーサタイリスト」である「テクノロ・バーサタイリスト」を目指して欲しいと名古屋工業大学大学院博士課程に進学し、ロボットSIerの教育方法を研究中。

「ロボットSIerには幅広い知識や技術が必要で、さらにコンサルティング能力などもあわせ持つ人材が求められます。ですから、そのような人材を育成する教育機関が必要と考え、現在、これをテーマに博士論文を作成しています」

愛知工業大学客員教授の間瀬好康氏は、こう語る。間瀬氏は大学卒業後、豊田工機(現ジェイテクト)で生産技術を担当し、ロボットSIerの役割を担った。その後は工業高校の教員に転身、企業での経験を活かして教鞭を執ってきた。2016年からは新たに開校した県立の愛知総合工科高等学校で初代校長を務めた。

校長在任中(教育委員会兼務)には名古屋工業大学大学院の修士課程に進み、総合工科高校の教育内容に関する修士論文を作成した。さらに博士課程にも進学し、ロボットSIer育成に関する研究を始めた。

ロボットSIerは、ロボットを使う機械システム導入を提案したり、…

(※全文:2164文字 画像:あり)

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