「現場力」を育むワークショップで公共政策を担うプロ人材を育成
様々な社会課題が山積する中、公共政策を担う高度な専門人材の育成は喫緊の課題となっている。東北大学公共政策大学院では「現場力」を重視し、実務家教員らの指導の下でその力を身につける「ワークショップ」を取り入れている。研究成果を基にした、政策提言も行っている。
国際的な「政策競争」にも
勝てる専門人材の育成が必要
西岡 晋
「日本ではかつて政治家はあまり信頼されなくても、官僚は優秀で清廉潔白というイメージがありました。また、官僚主導による政策も、全体的にはうまく行っていると考えられていたと思います」
東北大学公共政策大学院院長・教授の西岡晋氏は、こう語る。日本は高度経済成長期に急速に戦後復興を遂げ、その成長は特に1980年代、海外でも注目された。そこでは、通商産業省(現:経済産業省)の官僚の役割が大きいという評価もなされた。しかし、1990年代以降、官僚に対する信頼は徐々に低下していった。
「とりわけ、バブル崩壊がきっかけになりました。また、当時は大蔵省(現:財務省)の接待問題などもあり、…
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