宇宙ベンチャー企業と連携し、文理融合で学ぶ学習院大学の「宇宙利用論」
月の探査計画をはじめ、宇宙ビジネス、宇宙利用は身近な時代となりつつある。2023年度に全学部生対象の全学共通科目で「宇宙利用論」を開講する学習院大学。開講を主導したキーパーソンに、開講の背景やプログラムの特長を聞いた。
全学部生対象の全学共通科目で
「宇宙利用論」を2023年度に開講
渡邉 匡人
小塚 荘一郎
法学部、経済学部、文学部、理学部、国際社会科学部の5学部と大学院が一つのキャンパスに集まる学習院大学は、文理両分野にわたる広義の基礎教育と多様な専門教育を有機的につなげる教育に注力してきた。
そうした中、学習院大学は2023年度から、全学部生を対象とした全学共通科目として「宇宙利用論」を開講する。宇宙利用論は、地球を含むすべての天体や宇宙空間の開発および利用を研究対象とした学習院大学が提唱する新学術研究で、2022年度から始まる学習院大学中長期計画「Gakushuin U.Grand Design 2039」採択事業となっている。開講を主導した、理学部教授の渡邉匡人氏は、最初のきっかけをこう語る。
「アルテミス計画※が発表された頃、月周回有人拠点(Gateway)を利用した研究を考えていたのですが、月の資源を活用して火星に向かうとして、その資源を勝手に使ってよいのかという疑問が湧きました。それで、宇宙法に詳しい法学部教授の小塚荘一郎先生に相談して、宇宙資源を利用する上で、どんな問題が起こり得るのか、研究会を立ち上げたのが元々のきっかけでした」
研究会を続けていく中、宇宙利用が身近な状況にあることを改めて実感した渡邉氏と小塚氏は、学生たちとともに、…
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