デザイン思考を身につける多摩美術大学のリカレントプログラム
多摩美術大学は「デザイン経営」の社会実装に向けて「TCL-多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム」を開講。デザインのもつ「創造性」と「美意識」をビジネスパーソンが身につけることで、「戦略性」と「感性」を備えたハイブリッド人材を育成している。
デザイン人材の育成で
美大ならではの貢献を目指す
石川 俊祐
丸橋 裕史
多摩美術大学は2020年9月から、「デザイン経営」を社会に実装する日本初の試みとして、ビジネスパーソンを対象に「TCL-多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム」(以下「TCL」)を開講した。「デザイン経営」は、デザイン的な思考を企業価値向上のための重要な経営資源として活用し、国際的な競争力を高めていくという考え方で、経産省・特許庁の「デザイン経営」宣言(2018年)をはじめ、日本でも注目が高まっている。
「日本では、デザイン思考を備えたデザイン人材のニーズに対し、その育成が追いついていません。このような中、私たちは美大ならではの強みを活かしてビジネスにも通じる人材育成ができるのではないかと考え、このプログラムを開講しました」
多摩美術大学特任准教授でTCLプログラム・ディレクターの石川俊祐氏は、こう語る。石川氏は元IDEO Tokyoデザインディレクターで、特許庁と共に「デザイン経営」の推進にも携わってきた。
また、多摩美術大学特任准教授でTCLプログラム・マネージャーの丸橋裕史氏は、「30代前半にビジネススクールに在籍し、当時からデザインと経営を架橋することや、架橋できる人材が増えることは日本の社会を豊かにし、組織を強くするという確信を抱いていました」とプログラムに参画した動機を語る。丸橋氏は、丸橋企画代表取締役として複数企業の顧問に就任し、その商品開発や新規事業の戦略立案、…
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