産官学で加速する量子技術を担う人材育成

量子技術を取り巻く国際競争が激しくなっている中で、量子人材の確保・育成は喫緊の課題だ。産業界やアカデミアでは量子技術の未来を担う人材育成が進められている。

加速する量子技術の国際競争
日本政府も戦略を見直し

2019年、米・Googleが、スーパーコンピュータの計算能力を大きく上回る「量子超越性」の実証に成功したという論文を発表した。54量子ビットを搭載する量子コンピュータは、スーパーコンピュータで1万年かかる計算を200秒で終えたという内容は、大きな関心を集めた。日本でも産業界や大学が、量子コンピュータの社会実装に向けた取組みを進めている。2018年、慶應義塾大学とIBMが、最先端量子コンピュータ研究拠点として「IBM Q Network Hub」を開設。2020年は東京大学が「量子イノベーションイニシアティブ協議会」(QII)を設立し、2021年は大阪大学が「量子ソフトウェア研究拠点」を設置した。

2020年、日本政府は「量子技術イノベーション戦略」を策定したが、翌年の2021年に、米・Googleが公表した「2029年に1,000論理量子ビット」をはじめ、…

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