バイオDX産業人材の新たな人材評価法の構築へ
2021年9月、大阪大学とパーソルテンプスタッフは、理系人材の評価育成を目的とした文理融合型の「パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所」を開設。急成長するバイオ医薬品市場を支える高度人材の育成に向けて、客観的な評価法の構築やキャリアパスの可視化を目指す。
急成長するバイオ医薬分野
不足する高度人材の育成目指す
大政 健史
吉田 智寿
食品から医薬品、化学、エネルギー、農業に至るまで、近年、急成長を続けるバイオ産業。なかでも、バイオ医薬品市場の成長は著しく、経済産業省によると、2019年には6,000億円と拡大を続けている。
一方で、バイオテクノロジーを担う研究者や技術者などのバイオ産業人材の不足が顕在化している。例えば、2021年2月に経産省が発表した報告書「バイオテクノロジーが拓く〈第5次産業革命〉」においても、「企業の目線に立った実践的な『バイオDX産業人材』の育成が急務である」と指摘している。バイオDX産業人材とは、生物学とIT/AIの高度な知見を併せ持った人材を指す。
こうした人材不足を背景に、2021年9月に開設したのが「パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所」(以下「協働研究所」)だ。理系人材サービスを展開するパーソルテンプスタッフと、日本のバイオ医薬をけん引する大阪大学大学院工学研究科の大政健史教授らの研究グループが協力し、成長分野であるバイオ医薬品(抗体医薬、遺伝子治療用医薬、ワクチン等)の製造を支える、バイオテクノロジーを推進するバイオDX産業人材の育成を目指す。
先の経産省の報告書では委員長を務めた協働研究所所長の大政教授は「大阪大学は産学連携の協働研究は数多くありますが、…
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