第五次産業革命を担うバイオ分野の人材育成とは?

技術革新とAI/IT領域との融合により、バイオテクノロジーは、多様な産業分野の成長基盤として期待が高まっている。こうした中でどんな人材が不足し、どういった教育プログラムが展開されているのか。その現状を追った。

多様な産業基盤を支える
バイオテクノロジーの可能性

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、ワクチン開発においてバイオテクノロジーに大きな注目が集まった。昨今、ゲノム(遺伝情報)解析やゲノム編集といった技術革新に加え、AI/ITとバイオテクノロジーの融合によって、バイオテクノロジーが多様な産業の成長基盤として期待されている。例えばメッセンジャーRNA(mRNA)技術を活用したワクチン開発では、ウイルス自体のゲノム配列が分かれば、危険なウイルス自体を扱わなくとも、ワクチンの設計・製造が可能で、さらに開発スピードも従来の手法よりも早い。

政府も「バイオ戦略2019」「バイオ戦略2020」と立て続けに策定し、「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現すること」を目標に、持続可能性、循環型社会、健康(ウェルネス)をキーワードに、産官学等を巻き込むイノベーション戦略として位置付けている。

バイオ戦略では、バイオエコノミー社会を「バイオテクノロジーや再生可能な生物資源等を利活用し、持続的で、再生可能性のある循環型の経済社会を拡大させる概念」と定義しており、…

(※全文:2011文字 画像:あり)

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