三菱電機が小学校の教育を支援 デザイン思考で創造力、探究心を育む

三菱電機 統合デザイン研究所は、小学校と連携し「総合的な学習の時間」で、デザイン思考を取り入れた授業支援を実施している。その社会課題を解決する取り組みは、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。

矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

「デザイン思考」が日本で浸透する契機となったのは、20年前にスタンフォード大学のd.schoolで教え始めたことだと言われている。当初はビジネス界での革新的な手法として注目を集めたが、今では教育現場にも広がりを見せている。

2002年に始まった「総合的な学習の時間」は、近年、実社会と関わりながら子どもたち自らが問いを立て、それに対して答えを見出していく探究的な学びの構築が求められるようになった。この方針とデザイン思考との親和性の高さが、教育現場での導入を後押ししているようだ。

デザイン思考とは、人々の潜在的なニーズを理解し、創造的な解決策を生み出すための思考法だ。①課題の発見、②観察とインタビューによる深い理解、③アイデアの創出、④プロトタイプの作成、⑤実践と改善、というプロセスを繰り返し行う。これは「探究」のプロセスそのものである。

三菱電機 統合デザイン研究所の取り組みは、地元の神奈川県鎌倉市立大船小学校の社会科見学がきっかけで始まった。当初は「ポスターの描き方を教えてほしい」という相談であったが、その背景には「子どもたちの創造力を育てたい」という先生の思いがあることを知る。

(※全文:1576文字 画像:あり)

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