若者が「帰ってくる場所」をデザイン 山口県長門市・SWEET AS

地方都市における若者の流出問題は大きな課題だ。山口県長門市の一民間企業が遊休不動産を活用し、スポーツ文化を通した多様性に富む地域コミュニティの形成に寄与する場をつくり、若者の「居場所」をデザインした。

矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

山口県の下関市と萩市に隣接する長門市は、高校卒業後に進む教育機関がないため、多くの若者が卒業と同時に市から離れてしまうことが課題だった。

一方で、長門市には戦後からラグビーに親しむ文化があり、全国高校ラグビー大会に県最多出場を誇る高校があるほか、2019年ワールドカップではカナダ代表の公認キャンプ地に選ばれるなど「ラグビーの街」として知られている。

ラグビーを地域活性化に活用するために、地元で鉄骨加工業を営むヤマネホールディングスがメインスポンサーとなり、2017年に7人制女子ラグビーチーム「ながとブルーエンジェルス」が誕生した。

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