放課後を第3の居場所にする「こどもおとな基地 イロトリドリ」

小学生にとっての「放課後」を、家庭と学校に続く第3の居場所にするプロジェクト 「こどもおとな基地 イロトリドリ」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。

矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。
1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

神戸市は2026年度に中学校の部活動を終了させ、「地域クラブ活動」に移行すると発表し話題となっている。少子化による部員の減少や、教員の負担軽減などを契機するものであろうが、今の義務教育制度で抜けている視点の一つは「放課後」の扱いである。放課後児童クラブの利用者数は、共働き世帯の増加で年々増加しているが、施設整備や人材確保が追いついていないのが現状でもあるからだ。

この「放課後」という空白の時間を、リデザインしようとしているのが、新潟市西区の住宅街にある「こどもおとな基地 イロトリドリ」だ。2020年春に、一軒家を改装して開所し、家庭と学校に次ぐ「第3の居場所」をつくっている

学習指導要領に基づく小学校低学年の年間授業時間は約1,200時間だが、放課後と長期休暇を合わせれば1,600時間を超える。イロトリドリはこの「教育の空白地帯」を「未踏のフロンティア」と位置づけ、「『自分で選ぶ』を大切にできる」「やりたいことができる」「学ぶ意欲を育める」「いろんな人と触れ合える」という4つの「できる」を掲げ、受け身ではなく、主体的に学ぶ姿勢を育む場所とすることを目指す。

(※全文:1232文字 画像:あり)

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