振動と光で音を楽しむ、新しい未来 富士通「Ontenna(オンテナ)」

2019年度グッドデザイン金賞を受賞した「Ontenna」は、ろう者と健聴者が共に楽しむために、一人のデザイナーが10年以上開発を続けている『未来をつくるユーザインタフェース』だ。

「音」と「アンテナ」の2つを足してオンテナと命名。マイクとバイブレータ、LED を内蔵

「音」と「アンテナ」の2つを足してオンテナと命名。マイクとバイブレータ、LED を内蔵

矢島進二

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会理事 事業部長。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

コロナ禍は、小中学校だけでなく特別支援学校の子どもたちの日常も大きく変え、ストレスをもたらすことになった。そうした中、聴覚障害の子どもたちに笑顔をもたらしているのが、富士通が開発した「Ontenna」だ。

Ontenna は長さ6.5cm のクリップ型デバイスで、髪や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付け、音の大きさを瞬時に振動と光の強さに変換し、リズムやパターンといった音の特徴をユーザが直接体感できる全く新しい装置だ。

五感の一つに障害を持つろう者が、この音知覚装置により…

(※全文:1090文字 画像:あり)

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