なりたい大人になるための学校。「おおぞら高校」が描く新しい学び

「なりたい大人になるための学校。」を掲げ、学びを通じて生き方を共に描く、新しい教育のかたちを提案する「おおぞら高校」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。

矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。
1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

学校法人KTC学園が運営する「おおぞら高校(校長:茂木健一郎)」は、通信制の「屋久島おおぞら高等学校」と、全国49か所(2025年時点)に展開する通学型サポート校「おおぞら高等学院」から構成され、2024年5月時点で12,385名の生徒が在籍している。

2005年の設立以来、「夢がなくても、好きがあればいい」という価値観を基軸に、自己理解と対話を中心に据えた独自の教育スタイルを築いてきた。

将来の予測が困難なVUCA時代において、求められるのは「正解」を探す力ではなく、「問いを立て、自ら考える力」である。中学生の半数以上が「なりたい職業がわからない」と答える現状に対し、おおぞら高校は「夢がなくても大丈夫。まずは『好き』を見つけることから始めよう」と呼びかける。

「好きを増やす」→「好きをつなげる」→「好きをカタチにする」というプロセスに基づくプログラムを実装し、生徒が自身の価値観を起点に未来を描けるよう、学校という仕組み自体を再構築している点が最大の特徴だ。

その考えを具現化しているのが、独自開発された「KTCみらいノート(一般販売中)」である。生徒はこのノートに日々の気づきや興味を記録し、担当コーチとの対話を通して価値観を可視化・言語化しながら、自分なりの未来像を描いていく。

(※全文:1300文字 画像:あり)

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