コミュニケーションデザインのしかけを凝らした教科書『中学校数学1-3』
2021年度グッドデザインを受賞した『中学校数学 1-3』(学校図書)は、「数字を楽しむ」をコンセプトに、デザイン主導でつくられた画期的な教科書だ。数学を身近な問題として感覚的に捉えることを自然に促すコミュニケーションデザインが、全ページに渡って反映されている。


矢島 進二(やじま・しんじ)
公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。
校舎のデザイン、制服のデザインなど教育現場におけるデザインの役割は極めて重要だが、与件が多岐にわたりデザイナーが気軽に手を出せるものではない。特に難易度が高いのは義務教育で使用される教科書のデザインではないだろうか。
デジタル庁が発足した現在においても、小学校の入学式でピカピカのランドセルに収められるのは、紙の教科書だ。どっしりした重みは、6歳児にとってはちょっと辛いが、これからの新生活への期待の重さとして記憶に残るものだ。
(※全文:1014文字 画像:あり)
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