他地域居住の時代に住民票を移さず転校 徳島発の「デュアルスクール」

徳島県は都市部企業のサテライトオフィスを誘致するなど関係人口構築に積極的で地方創生の成功例に挙げられる。「デュアルスクール」は区域外就学制度を活用し、住民票を残したまま、家族で多地域居住を可能とする新しい仕組みのデザインで、2022年度グッドデザイン金賞を受賞した。

矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

リモートワークやサテライトオフィスの普及もあり、都心を離れ二地域居住や移住をする人が確実に増えている。豊かな自然の環境下で子どもを育てたい、できるだけ自分たちで安心安全な食材をつくりたい、実家で両親を介護したいなど理由は多様だ。しかし子どもを持つ家庭に大きな壁として立ち塞がるのは学校の転校問題だ。

都会に住んでいた場合、本格的に移住を決意する前に、短期間でも“お試し”で現地に住み、子どもが順応できるかを確認したいものだ。しかし、現行の教育制度下だと、住民票を異動しなければ、居住地以外の学校に通学することはできない。

(※全文:1255文字 画像:あり)

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