「メグロアソビ冒険隊」によるワークショップ活動
目黒区美術館の教育普及プログラムに小学生時代や大学時代に参加した3人のメンバーによるワークショップ運営団体「メグロアソビ冒険隊」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。

矢島 進二(やじま・しんじ)
公益財団法人日本デザイン振興会常務理事。
1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。



メグロアソビ冒険隊 中村良子、澤村幸子、山本桃子
目黒区美術館のワークショップルームに、子どもたちの弾んだ声が響く。カラフルな紙片が舞い、小さな手が思い思いの形を作り上げていく。ここは「メグロアソビ冒険隊(以下、冒険隊)」が開催するワークショップの現場だ。
「すべてを"あそび"ととらえて冒険しよう!」これが、冒険隊のモットーである。運営メンバーは1980年代から続く目黒区美術館の教育普及プログラムで育った、文字通り「かつての子どもたち」だ。美術館に足しげく通い、美術と触れ合う楽しさを存分に味わった3人が、2016年に任意団体を立ち上げ、今度は自分たちが次世代にその楽しさを伝える側に回ったのである。
代表の一人は語る。「私たちが子どもの頃に体験した『新しい感覚に出会う喜び』こそが、生きる力そのものだと確信しています」。近年、学校での図工や美術授業時間の減少、中学受験の一般化による表現活動の制約、さらには美術館の予算縮減など、アートに親しむ環境は厳しさを増している。そうした中で、冒険隊が提供するのは、「正解のない自由な表現」だ。
(※全文:1341文字 画像:あり)
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