書評『教師と学校の失敗学-なぜ変化に対応できないのか-』

『教師と学校の失敗学 なぜ変化に対応できないのか』
妹尾昌俊 著／280頁／900円＋税／
PHP研究所

コロナ禍以降、「学びを止めるな」を合言葉に、教育現場ではさまざまな試行錯誤が続けられている──。こうした話も聞かれるが、その実態はどうか。著者の調査では、多くの学校は「受け身で指示待ち」の対応に終始し、今日まで変化に対応できずにいるという。休校中はプリントを配って家庭任せ、ICT 活用が進まず、未だにオンライン授業の目処さえ立っていない、などがその典型だ。

なぜ日本の教育現場は、子ども本位で動けないのか。その原因は「日本の学校が学習する組織になっていないからだ」と著者は言う。さらに、この1年あまりの日本の学校教育における...